紫は古代日本の色の王者。臣下の位の色では最高位とされました。 「濃色(こきいろ)」「薄色(うすいろ)」といえば紫の濃淡のことで、色名をいう必要さえなかったほどです。紫根(しこん)といわれる紫草の根で染められた色。 この染色にはたいへん手間がかかるので、濃く染めるほど権威も増すことになりました。
洋名 パープル、アメジスト、ヴァイオレット
藍と紅花で染めた染色の色。 紅花は紅藍花ともいうし、呉藍(くれない)ともいう。つまり2種類の藍を使った色ということである。 青味の紫色と考えられ、指貫(さしぬき)、下襲(したがさね)、唐衣(からころも)など、中古の服装では夏にふさわしい色とされており、回想的な気分を誘う色であったともいわれている。 襲(かさね)の色目では、表裏とも二藍または濃花田(こきはなだ)もいう。
洋名 ヴァイオレット
紅花を原料とする染め色の赤が紅(くれない)。 中国語では、赤の感覚を代表する言葉が「紅」なのですが、日本ではなぜかそれを「赤」と記す。 赤という言葉には、別に染料や顔料の指定を必要としないのですが、日本の赤は、やはり紅の色に代表されるべきであり、日本人の感覚のなかでは、これこそ赤のなかの赤であると考えられます。 紅(くれない)、韓紅花(からくれない)、 紅色(べにいろ)
洋名 チェリー・レッド
蘇芳の原産地はインド、マレーシア地方といわれています。もとは渡来品であり、古代の服色でもかなり高位の色でした。赤系統の色のなかではもっとも紫よりの深い赤。 染料の原料は花や実や根ではなく、芯材からとられている。時代が下がるとともに広く使われるようになり、高位の色としての希少性が失われていったようです。
洋名 アマランス・パープル
古くは中国渡来の木蘭(もくらん)で染めた色の名前で、木蘭色ともいわれていますが、「源氏物語」の時代になると丁子染(ちょうじぞめ)の別名となりました。 また、紅花と支子(くちなし)で染めた香染(こうぞめ)の色ともいわれています。 茶色の一種を表す王朝風の奥ゆかしい表現と考えるのが妥当と思われます。 仏教各派で、勅許を得て着用する紫衣に次いで位の高い法衣の色でした。これが江戸時代には丁子茶(ちょうじちゃ)といわれ、すっかり俗人の色になってしまいました。
洋名 タン
中国古代正色のなかのひとつとしては、やや特異な色。方位や季節とは無関係で、中央に位する色とされ、しばしば皇帝を象徴します。 「天地玄黄」という言葉あるほど、すべての存在の根源にある色とされていました。
洋名 イエロー